①思いを分かち合い初の試み
第11回秦野市PTA大会が、初めて生涯学習課主催の「家庭教育支援講演会」と共催する形で1月25日に開催されました。この大会を運営する秦野市PTA連絡協議会(以下、市P連)は、秦野市内22の小・中学校の単位PTAから構成され、その活動を支援しています。また秦野市教育委員会、市役所各課、県・関東ブロック・日本PTAとの渉外窓口として情報交換などを行っています。特に本年度は、「単位PTAの活動を支援する」ことを最大の目的とし、これまでの活動で得られた成果を報告しました。
秦野市保健福祉センターの多目的ホールを埋めた220人の参加者を前に、市P連会長と秦野市教育委員会 内田 賢司教育長の挨拶がありました。その中で、教育委員会とPTAが連携を深めることにより、私たちに有用な情報提供がなされ、また情報を共有することにより、答えを導き出しやすくなるとの話がありました。まさにこの初の共同開催こそが、連携を深める第一歩になったのではないでしょうか。今必要な事は何か、子どもにとって何が最善かを考える場でもありました。
②雨にも負けないホンチョーズ!!
続いての実践発表は、創立146周年の長い歴史を持つ秦野市立本町小学校PTAが行いました。鐘の音から始まった発表は、参加者を一気に引きつけました。スクリーンに映し出される映像に合わせ、発表者2名と客席にいるサポーターたちが声を合わせていました。
父親クラブがあり、主な活動としてバザーの焼きそば店舗の協力を行っています。また、秦野曽屋高校の生徒や東海大学の学生を講師に招き、走り方教室を開催しています。本年度は2020オリンピックにちなみ、未就学児から大人まで楽しめるパラリンピック公式種目の「ボッチャ」体験を取り入れました。
バザーではPTAスローガン「参加しよう!一歩でも前進☆ホンチョーズ!!」のもと、前日からPTA会員以外に児童も手伝いに入ります。6月開催で天候に恵まれないことが多いそうです。しかしそこは長年の経験からか工夫をし、雨天時でも楽しめるプラ板作りなどの体験コーナーを設けていました。
スクリーンに映し出された子どもたちの笑顔が、保護者にとっては何よりの喜びだと感じました。保護者が楽しそうに活動しているのが伝わる実践発表でした。
③秦野らしい給食を目指して
次に、学校教育課 久保田 貴課長より、2021年12月から開始される中学校給食についての報告があり、給食センターのイメージ映像が映し出されました。2021年9月完成を目標に進めていくそうです。給食センター内には、見学通路がありバリアフリー対応となります。子どもと保護者が一緒に見学でき、試食体験の開催も予定されているとのこと。ここでも保護者と市が連携をとり、どのような食材を取り入れ提供していくのかを、話し合っていきたいと言っていました。地産地消を掲げ手作りで秦野らしい給食を目指していくとの話もありました。
市P連のホームページにも進捗状況が掲載されていますので、ぜひこちらにアクセスしご覧ください。
④市P連も働き方改革を
最後に市P連会長 吉田 信貴より活動報告がありました。スローガン「~今、必要な事を~」に基づき、本年度は改革の年となりました。「はだのP連だより」をWeb版の「はだのP連ニュース」に移行し、会員研修会を会長・情報合同会と一体化させ、PTA大会を市と共同で開催。市P連役員の負担軽減については、役員会を行事と同日に設定し回数削減。また、LINE会議も取り入れ、新しい事に挑戦し続けた年でもありました。働き方改革と言われている今、何が必要かを考え実行することが大切だと感じました。
例年、秦野市PTA大会を開催するにあたり、講師探しから始まります。しかし今回は市と連携をとる中で、小・中学生の保護者にぜひ聞いてもらいたい講演があるという話が出ました。それぞれの事情がマッチしたことで共催に至りました。今後継続可能となるかは現段階では判断できませんが、これからも市との連携を計りながら活動を進めていきたいと思います。
⑤子どもの内面をほめよう
ここからは生涯学習課主催で一般市民も参加した、家庭教育支援講演会が開かれました。「世界一の素敵親子を目指して」~前向きな子育て法で親子力を上げる~をテーマに講演をしたのは、NPO法人 Triple P Japan理事の松岡 かおり氏。
教育には家庭教育と学校教育があります。家庭教育は非認知能力を高め、学校教育は認知能力を高める場です。数がわかる、字が書けるなど数値化ができる力を認知能力と呼ぶ一方で、他人とうまく関わる力や感情をコントロールする力など、内面の力のことを非認知能力と呼びます。親は子どもに対して、目に見えて数値化された能力を重視しがちです。しかしうまくいかない時に、「どうしてだろう」「これではだめかな」「これがだめならこうしよう」と、あきらめない姿勢を身につけることが大切です。子どもをほめる時は、結果ばかりではなく内面部分をぜひほめてあげてください。非認知能力は一生残り、社会で成功する力になるとの話が印象に残りました。
共働き家庭や核家族が増えている今、親は忙しさから子どもとの時間を後回しにしがちです。少しでも時間をつくり子どもとの会話やスキンシップを大切にしたいと改めて感じた講演会でした。