· 

2021年2月号②あれから10年、防災を考える

~新西公民館と防災備蓄倉庫見学~

 

2021年3月11日で東日本大地震から10年を迎えます。当時、市内では停電やガス供給の一時停止、断水もありました。また多くの帰宅困難者が避難所で一夜を過ごしました。地震だけでなく、台風などによる風水災害も多い昨今、災害への備えについて考えてみることにしました。

私達は秦野市立西中学校にできた多機能型体育館に注目し、西公民館と防災備蓄倉庫の見学をして、防災対策について話を聞きました。

 

■新西公民館

  西公民館全景(右側)

 

保坂館長の説明を聞きながら公民館の見学をしました。

47年が経過した旧公民館の老朽化に伴い、新しく生まれ変わった西公民館内部は明るく木の香りが印象的です。天井や壁、床など至る所に秦野産材の杉やヒノキが使用されています。

また、施設内は全てが冷暖房完備となっており、隣接している中学校への配慮からくもりガラスの二重窓となっている部屋もあります。

 

 

2階建て

図書室と集会室A~D、多目的ホールがあります

 

集会室はいろいろな用途に対応できるように、工夫されていました。

 

       「集会室B」

IH用の可動式キッチン。このように収納も可能

 

       「集会室D」

全面畳に変更可能な部屋。収納可能な畳

 

 

また1階の図書室は現在、5500冊の本があり、今後も増えていく予定です。

図書室の利用は以前の西公民館と比較すると3倍近い利用者数となっているようです。

        「図書室」

明るく、秦野産の木材を使用した本棚

 

 

 多様化するニーズに応え、利用者にとってより良い施設にするため、色々なアイデアが取り入れられた施設となっています。

       かまどベンチ

   災害時炊き出しに使用できる

 

 

■防災備蓄倉庫

続いて見学したのは、西中学校体育館にある防災備蓄倉庫です。

 倉庫は約140平方メートルととても広く、沢山の備蓄品が積み上げられていました。

 

 秦野市役所防災課の遠崎課長代理と細野氏に質問しました。

 

Q.1 この防災備蓄品の量は何人分位を想定した量ですか?

 

A.1 西中学校への想定避難者数は141人、帰宅困難者は182人となっていますので、食料品と水は避難者数✕3日分(1日分は3食と水3L)、帰宅困難者は2食と水500mlとしています。

   また乳幼児の粉ミルクの他に昨年から液体ミルクや離乳食も導入しています。液体ミルクや離乳食は冷蔵保存が必要なので災害協定先の冷蔵庫で保管してもらっています。

 

  各品目別に整理された倉庫内部

 

Q.2 非常食にも賞味期限がありますが、どのように管理されているのですか?

A.2 アルファ米や水は5年となっていますが、アルファ米は毎年買い替えをして期限が切れないようにしています。水も期限前に計画的に入れ替えを行います。

   また、賞味期限が近くなってきたものは防災講習会などで配布しているほか、粉ミルクなどは市内のこども園や保健福祉センターで健診時に配布するなどの有効活用をしています。

 

Q.3 コロナ感染対策として新しく備蓄したものはありますか?

A.3 マスクや体調不良者用クイックパーテーション、段ボール間仕切り、ゴミ分別用のポリバケツ、ダンボールベット、避難所受付用に検温器、フェイスシールド、手指消毒剤などです。

また、コロナ感染対策として、暖めることや冷やすことのほか、換気することが必要となりますので、大型サーキュレーターや冷風機、暖房器具を新たに導入したり追加したりしています。

 

 数分で設置可能なクイックパーテーション

 

 

直径1メートルの大型サーキュレーターで換気

 

 

   水を入れて使用する冷風機

   12メートルも冷風が飛ぶ

 

 

  暖房器具

 

 

Q.4 ペットを連れていける避難所はありますか?

A.4 風水災害時と地震災害時で対応が異なります。

   風水災害時の場合には、屋内避難となりますのでアレルギーの方への配慮もして、ペット同伴の避難はお断りしています。

   台風は事前に天気予報などで対策が可能なので、ペットを預けられる親戚や友人、ホテルなどを事前に確認をしておくと安心です。

 地震災害時は避難所の決められた場所にペットスペースが設置されますが、ペットの食料や世話は飼い主の方に管理をお願いしています。

 

Q.5 災害時に避難する場合、持参した方が良いものはありますか?

A.5 暑さ対策面で備蓄倉庫にもボディシートや肌着などはありますが、数に限りがありますので、各自で着替えや体を拭けるシートなどを持参できれば清潔が保てます。

   寒さ対策面では避難所に毛布はありますが、避難者一人一枚の配布となりますので、できるだけ上着や靴下などを持参してください。

 

Q.6 災害に備えて家庭ですべきことや、アドバイスなどがありましたら教えてください。

A.6 防災備蓄倉庫には発災から3日分までを想定して備蓄しています。それ以降の分については国や県からの支援物資になりますが、届かない場合も想定されますので、一週間分の水と食料、携帯トイレがあると良いです。

   在宅避難される方の備蓄はないため、各家庭での備蓄が必要です。

   また、災害時に避難所へ行く際、持ち運びのしやすいシリアルバーなどの軽食や500mlのペットボトル飲料水などを入れた持ち出し用バッグを家族人数分用意しておくと良いです。

ご家庭の非常食の賞味期限は大丈夫ですか?

 

 

ローリングストックできるレトルト食品やカップ麺

 

 

■取材を終えて

今回の取材は、今まで知る機会の無かった施設細部の説明や、秦野市の防災備蓄対策について聞ける貴重な体験となりました。

また10年前の教訓を忘れずに、常に防災意識を持つことが必要と感じました。みなさんも、ご家庭の防災対策を今一度、確認してみてはいかがでしょうか。(取材日2020年12月16日)

 

******************

 

編集後記】

  メンバー全員が情報委員として初めての活動で、何について、どのように、発信するのか手探りで動き始めました。活動が制限される中でLINEを使い、お互いの意見や知識を出し合いました。一人一人が出来る事を考え、無事、記事にする事が出来ました。

  記事の作成にあたり、ご協力していただきました全ての皆様、ありがとうございました。

 

 

情報委員会C班

東小、西小、上小、鶴巻小、

大根小、東中、渋沢中