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2021年12月号②学校でのクロームブックの使用、始まっています!

 

 秦野市でも国の GIGA スクール構想の推進に合わせ、児童生徒 1 人一台の端末が整備されました。子どもたちからもクロームブックという名前や、使用した感想を耳にします。実際に家に持ち帰り操作している姿も目にします。

 そこで、クロームブックをどのように使用しているのか秦野市内小中学校へアンケート調査を実施しました。その中から学校での様子、子どもたちの声をいくつかご紹介します。

 

実施日:2021.9.30.〜2021.10.15.(16 日間)

対象者:秦野市の小中学校(小学校 13 校、中学校 9 校)

実施方法:各学校の情報委員より口頭または記述にて

回答件数:22 校(回答率 100%)

 

※記事内「Google クラスルーム」とは、学級等のグループの中で、課題の提出、資料の共有、連絡事項の発信などが行えるものです。

 

 


 

 

◆学校での使用状況と子どもたちの反応について◆

 

主な使用方法について、項目別にお伝えします。

 

《小学校》

 低学年の使用頻度は、週1~2回、高学年は、ほぼ毎日使用しています。

 

■調べ物学習

・分からないことをその場で調べる

■カメラや動画機能を使用した学習

・生活科で秋探しの際に、気づいたことを写真撮影する

・体育科で動画撮影し、動きを見る

・操作の練習を兼ねて、カメラ機能を使って撮影する

■話し合い学習

・自分の意見を書き込む

・全校朝会、児童集会、委員会、係活動にも活用

■自主学習

・休み時間にタイピング練習を行う

・練習問題を解く

 

小学校では、分からないことをその場ですぐに調べる姿勢が身についてきており、興味関心が向上してきています。

体育科では、口頭の説明だけでなく動画を見ることで、改善点が明確になり、分かりやすく、意欲に繋がっています。

発表や発言が得意ではない児童も、クロームブックに書き込めるため、自分の意見を伝えやすくなりました。児童が主体的となり、多くの意見が出ることで、授業や活動が充実したものになっています。

練習問題では自動的に採点してもらえるなどの利点から、紙のプリントよりも意欲的に取り組んでいるようです。

休み時間には友だちとタイピング練習を行い、学習しながら休み時間を有効に使用しています。

小学校では、クロームブックを活用することで、様々な面で意欲向上につながる傾向がみられているようです。

 

《中学校》

 ほぼ毎日、小学校より多様に使用しています。

学習面だけでなく、生徒主体の委員会や集会にも多くの場面で活用されています。

 

■調べ物学習

・わからないことその場で調べる

■授業での活用

・実験データの活用

・デジタル教科書の活用

・小論文の推敲

■カメラ動画機能を使用した学習

・合唱や運動会の練習の様子を動画で撮影し、他学年と比較する

・プレゼンテーション形式の授業資料を作成し、スライドを使用して発表

■話し合い学習

・アンケート、小テスト、投票などに活用

・意見の提示や集計

・授業連絡、委員会や集会での活用

■自主学習

・テスト前の自習

・授業動画を見て復習

・休み時間に授業の復習ができる

 

中学校では、分からないことをその場ですぐに調べられるため、レポート内容を今までよりも練ることができるようになりました。

またデータ処理が速いため、考察に多くの時間を費やせるようになりました。

休み時間には、授業動画や撮影した板書を見て復習に役立てています。教材を動画で見ることで視覚的にとらえることができ、分かりやすくなりました。

また行事の様子を動画で見ることで、改善点が明確になり意欲向上につながっています。

個々人が課題に対し、クロームブックで回答、返答することで、他の人の意見に触れることができ、参考になっています。

中学校では、学習面での補助ツールとして、より活用されているようです。

 

 小中学校ともに、幅広く使用されており、子どもたちは意欲的に取り組んでいるようです。

 手軽に調べることができる反面、実際の体験の貴重さが伝わりにくいという意見もありました。

 今後、筆記用具と同じ扱いとして子どもたちにとってより身近なものになりそうです。

 

 


 

 

◆家庭に持ち帰った際の使用方法◆

 

小学校では、年齢差もあることから学年毎でも使用方法を変えている学校もありました。タイピング練習や動画視聴、カメラ撮影等、オンライン学習の定着へ向けた練習を行っています。

Google クラスルームを活用し行事の話し合いやリモートでの連絡等、先を見据え幅広く使用されているようです。

 

中学校では、調べ物学習や授業の復習、テスト前の勉強等、自分の使用したい時に気軽に使用できるような、より身近な道具の一つになっています。  

日常で個々に使用し、必要に応じてリモートで使用するといった、小学校より進展した使用方法になっているようです。

 

小中学校共通して、一番多く挙げられたのは”家庭学習の補助”としての使用でした。特に学習アプリを使用しての復習は、多くの小中学校が取り入れているようです。

 

 

◆学校での今後の使用方法◆

 

■小学校

《課題の継続としての活用法》

・基本操作を身に付ける

・タイピングの習得

・活用する場面や頻度を増やし、学習道具の一つとして使用する

・グループ活動での話し合いの際の資料活用や、発表資料作り

・教員のクロームブック内の動画や記録、資料を児童と共有し学習へ発展させる

《さらに検討されている活用法》

・音楽の授業でアプリを使用しての曲作り

・テレビ会議を使用して、地域の方々への取材 

・オンラインでの授業参観

 

■中学校

《中学生ならではの活用法》

・教科毎の課題配信、提出などの継続

・過去課題の見直し

・学習アプリでの復習

・国語においての作文の推敲練習

Google クラスルームでの伝達や相談

 

■小中学校

《共通して検討されている活用法》

・オンライン授業

・プログラム学習      

 

小中学校ともに、より自主的な活動へつなげると同時に、有意義かつ便利に使用できるツールとして考えられています。

 用途やルール、モラル教育にも力を入れ、安全で有効な活動ができるように考えています。

 

 

 

◆おわりに◆

 

 小学生ではクロームブックの操作に慣れるまでは苦戦することもあったようですが、機器に触れることも楽しんでいるようでした。

 調べ物や学習に対し、前向きな姿勢で使用できていました。

 また、クラス内のコミュニケーションツールとしての役割も果たしているようでした。

 

 中学生では、クロームブック使用に対する困難さは低いようでした。

 学習のサポートとして使用されることが多く、それに伴い使用頻度も高いようでした。

 また、小学生同様に、学習におけるコミュニケーションツールとしての役割も果たしているようでした。

 

 

◆編集後記◆  

 

 緊急事態宣言下の編集作業でしたので、様々な方々にご協力いただき、たくさんの情報を集めることができました。

 オンラインを利用し連絡を取り合うことで、意見交換を行い、作業を進めることができました。

 多くの意見が聞け、貴重な体験ができました。ありがとうございました。

 

《情報委員 A 班》 

東小、大根小、広畑小、末広小、南が丘中、鶴巻中、渋沢中