2021年12月1日より秦野市内の全中学校で完全給食がスタートしました。
中学校給食に対する期待とともに、どのような工程を経て子どもたちの口に入るのか。そして、子どもたちの反応や学校側の対応を知りたいと思い、秦野市学校給食センター「はだのっ子キッチン」と、市内の中学校の中から北中学校に取材させていただきました。
■いざ!はだのっ子キッチンへ
12月15日(水)、実際に秦野市学校給食センター「はだのっ子キッチン」で働いている方たちにお話を伺いました。
◇調理師さんにお聞きしました。
Q. 実際に稼働してみて、気をつけていることは何ですか。
A. 食物アレルギー対応食の調理をしているので、異物混入に細心の注意を払うとともに、子どもたちの安心安全のため、刃物の破損や傷がないかをしっかり確認し、新鮮な野菜を提供できるよう努めています。
Q. 最新の機材を使った感想はありますか。
A. ブラストチェラー(冷却機)を初めて使いました。今までは真空冷却機を使い茹で野菜など15分から20分かけて冷ましていたのですが、ブラストチェラーでは瞬間冷却が出来るので、感動しました。
Q. 給食を作り始めてから、自宅でも作るようになった料理はありますか。
A. 秦野市ではルーを手作りしているので、自宅でもシチューのルーやグラタンに使うベシャメルソースを作るようになりました。
◇栄養士さんにお聞きしました。
Q. 献立作成で工夫されている事は何ですか。
A. 肉・魚・野菜、煮物・揚げ物など、毎日の献立に変化を持たせることで、生徒に喜んでもらえるよう工夫しています。
Q. 秦野市ならではの献立はありますか。
A. 秦野市で採れた野菜を積極的に使用しています。1月から2月には、市内産の葉にんにくを使った献立を提供します。
Q. 子どもたちにアピールしたいことはありますか。
A. スタイルを気にして食べない子がいるかもしれませんが、体を作るのは今の時期だけであり、成長期だからこそ必要な栄養素を摂って欲しいです。コロナで黙食をしなければならないと思いますが、美味しさを共有し食材を楽しみながら食べて欲しいです。
◇配送の方にお聞きしました。(書面での回答をいただきました。)
Q. 配送で一番気をつけていることはありますか。
A. 大切な給食をお届けするために、常に安全運転を心がけています。
Q. 始まったばかりですが、嬉しかったことなどはありますか。
A. 給食のコンテナを回収するときに生徒さんから「給食おいしかった」と言ってもらえたこと。自然と笑顔になります。
AT(オートマ)のトラックで運転しやすいので、女性ドライバーもいらっしゃるそうです。
ドライバーさんは配送の大変さを考慮して、2人から3人の体制で、西中は降ろす場所が2か所なので3人。本町は2人。直行直帰の配膳係の方が学校で待機されているとのこと。
センターから車が来る時間、学校に着く時間などの時間配分は、調理責任者の方が考えているそうです。
■北中学校に行ってきました
12月9日(水)、11時頃、給食センターのトラックが中学校に到着しました。
トラックから給食が入っているコンテナを降ろし、学校で待機している給食センターの職員さんが決められた場所までコンテナを運びます。
校長先生は、生徒たちが安全に美味しく食べられるように、毎回給食前に検食をしてくださっています。
給食が始まる前は、先生方には様々な心配事があったそうです。例えば、食物アレルギーを持つ生徒たちへの対応。配膳の段取りが上手く出来るか等。そんな不安をよそに、生徒たちは小学校給食の経験を生かし、スムーズに準備しているそうです。
また、校長先生によると、生徒たちの反応は様々なようです。好みの違いによる味の評価は分かれているそうですが、給食は栄養バランスを計算して作られていることや温かい食事が食べられること等、食育の観点からもしっかり食べて欲しいと話されていました。
授業が終わると当番の子どもたちが給食を取りに来ます。食缶に書いてあるクラスを確認し、自分の教室へ運びます。
上階のクラスは食缶や食器を持って階段を上ります。中学生にもなるとたくましいです!
エプロンと三角巾代わりのバンダナを着けて盛り付け開始です。
取材当日(12月9日)のメニューです!
・魚のから揚げ野菜あんかけ
・白菜の昆布和え
・のっぺい汁
・ご飯
・牛乳
美味しそうですね!
先生の「いただきます!」の掛け声の後に、いざ実食!
感染対策のため、みんな黙食…早く顔を合わせておしゃべりしながら、食べられる日がくるといいですね!
作っていただいた給食を残さず感謝して全部食べる。大事なことだと改めて思いました。
成長過程のはだのっ子にはもりもり食べてほしいです!
《取材に参加して》
■参加した理由
・秦野市中学校出身である立場から、自分も経験したことなかった中学校給食が開始されるタイミングで取材できるということで、是非参加したいと思いました。
・4月から我が子が中学校に進学になるタイミングでしたので、とても興味がわき参加しました。
■取材後の感想
・給食が開始されることになり、時間確保のため放課後の時間などを短縮せざるを得なかったとお聞きして、先生方の苦労は取材しなければ知り得なかったことでした。
・北中取材時、給食を前に嬉しそうな顔の生徒を見られたこと、先生方が食育の観点で考慮してくださっていることがわかり、嬉しく思いました。
・普段入れない場所や機材を見られたのは、楽しかったです。同時に食物アレルギーや食材の扱いなどに徹底して気を付けてくださっていて、子どもたちのために働いてくれるスタッフさんたちには感謝しています。
給食センターに携わるスタッフの皆さん、これからも生徒たちの笑顔と健康のため、美味しく安全な給食づくりをよろしくお願い致します。
給食センターの皆様、北中学校の校長先生、生徒の皆様、ご協力いただき、ありがとうございました。
《編集後記》
長年実現することが難しかった、中学校給食の開始時期に、私たち取材班が携われることになったのは、とても光栄であり貴重な体験であったと思います。
コロナ禍で、集まることもままならず、LINEのグループトークや、グループ通話で最後詰めていき、完成させることが出来ました。
誰かに負担が集中することがないように、取材班一人一人が発言出来るよう、発言してもらうように努めてきました。
率先して挑む親の姿を見せたい。食を通して学ぶ事と共に、大切な事ではないでしょうか。
《情報委員会B班》
南小、北小、堀川小、東中、西中、南中、北中、大根中