いじめのない学校を作ろう
~私たちが今日からできること~
「いじめを考える児童生徒委員会」の第4回が、今年も堀川公民館で11月7日に開催されました。
第1回目から3回目までは、小中学生の代表と教育委員会の職員のみで話し合いを行っていましたが、第4回は地域の大人たちも多数参加しての会となりました。私たち情報委員も小学生の部へと取材に駆け付けました。
大勢の大人達がいる中、少し緊張した表情の子どもたち
〈どういう委員会なの?〉
「いじめを考える児童生徒委員会」とは、秦野市教育委員会が主催しており、市内の小中学生の代表が集まって「いじめをなくすために一人一人が出来る事は何なのか」といったことを考えていく会です。
平成20年に「はだの子ども人権宣言」を子どもたちと作り上げたことに端を発し、毎年活動が続けられています。これまで「スマートフォン・携帯電話に関する決議」の宣言や、いじめ防止への動画作成や、全校共通のスローガン作成などを行い、活発に活動を続けています。
今年は、「いじめが起こらない・起こりにくい学級・学年・学校のためのリーフレットづくり」を主な柱として進めてきました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、全4回のうち3回目は書面での開催となりましたが、そういった中でも、子どもたちは積極的に意見を出し合って進めてきたそうです。
真剣に話を聞く子どもたち
〈思いのこもったリーフレット作り〉
第4回目となる今回は、叩き台として出来上がったリーフレット案を踏まえて、どうすればより手に取って貰えるリーフレットとなるのかを、グループに分かれて話し合いをしました。
「ここにイラストを入れた方が手に取りやすくなるのではないか」
「相談電話をかけやすくなるよう、実際の会話例を入れてはどうか」
等々、子どもたち一人一人が、リーフレットを手に取ってもらいたい、活用してもらいたい一心で様々なアイデアを出し合っていました。
どうすれば良くなるのか…リーフレットを隅々まで眺めて考えます
〈大人も交えたグループ協議〉
その後は青少年補導員の方等、地域の大人たちも交えたグループ協議を行いました。
テーマは「いじめを生まない学校づくり~私ができる取組について~」です。大人も子どもも、付せんに「自分ができる取組案」を思いつく限り書いていき、その付せんを以下のような座標が書かれた模造紙に貼っていきます。
これは、縦軸が「集団でするものか、個人でできるものか」を表し、横軸が「短期でできるものか、長期的に取り組んでいくものか」を表しています。
例えば、「積極的に挨拶をする」という案は、個人ででき、また時間もかけずにすぐに取り組める短期的な取組となるので、左下に貼ります。また、「クラスのみんなで協力し合えるイベントを行う」という案は、集団で長期的に行っていく取組となるので右上に貼ります。
このように表に貼っていく事でより発想が広がりやすくなり、追加の案がどんどん貼り足されていく様子が見られました。
「これはここかな…?」次々と取り組み案を貼っていきます
〈世代を超えての考え方の共有〉
また、大人と子どもが一緒に話し合いをする中で、考え方や情報の共有が出来ていた事もとても印象的でした。
子:「どうして挨拶をすることがいじめをなくすことにつながるの?」
大人:「私は、いじめって、相手をよく知らないからこそ起こることもあると思っていて。挨拶をすることで、『知らない人』から『知っている人』に変わるでしょ。そうやって『知っている人』や『友達』を増やすことで、いじめが起こりにくい社会に変わっていくんじゃないかな」
大人:「ここに『家族みんなでご飯を食べる』って書いてあるの、とてもいい案だね。いじめを受けたり見たりしたことを相談しやすくする環境づくりも大切だからね。家族揃ってご飯を食べる事って、昔は当たり前だったけど、今はそうでもないのかな?」
子:「両親は仕事で忙しいし、私や兄も習い事がたくさんあって、どうしても夕ご飯の時間がバラバラになってしまうのです。せめて土日は家族でたくさん話そう、と思いました」
こうした話し合いの場があることそのものが、まさにいじめをなくすための取組の第一歩であり最前線なのではないかと感じました。
「世代が違うと発想も違う…!」お互いの話に興味津々です
〈発表と閉会後の子どもたちの声〉
最後に、各グループで話し合ったことを子どもたちが発表しました。緊張しながらも、話し合いの要点を子どもたちなりにまとめ、堂々と発表する姿に大きな拍手が送られました。グループ毎に着眼点の違いがあり、真剣にお互いの発表を聞いている子どもたちの表情が印象的でした。
タイトルを付けたり、付せんを細かく分類したり、といった、グループごとの工夫が見られました
最後に写真撮影をして、「いじめを考える児童生徒委員会」は閉会となりました。
閉会後の子どもたちにインタビューを行いました。
「難しいことをやるのではと思っていたけど、とても楽しくできた」
「初めて会う人とも積極的に話し合いができた」
「いじめへの対策は、毎日のほんのささいな事から出来るのだという事に気付けた。これから、その気付きを活かして行動していきたい」
といった声が聞かれました。
〈できることを、今日から、少しずつ〉
今回の取材は、私たち大人が保護者として地域の一員として何ができるのかを見つめ直す有意義な時間となりました。またいじめの起こりにくい環境づくりは難しいことばかりではないことも知ることができました。
いじめを生まない学校・地域づくりのために、ほんの小さな活動から何か始めてみませんか?
最後に同じグループのメンバーと記念撮影 一年間本当にお疲れさまでした!
《情報委員 C班》
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