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南中学校が神奈川県地域部活動推進事業のモデル校になりました

 少子化の影響を受けて、学区により生徒数が減少傾向にあり、現在中学校の部活動では ①人員不足による活動継続への困難さ ②教職員の働き方改革 ③生徒や保護者の考え方の多様化などの課題を抱えており、課題解決に向けた取り組みとして部活動改革が検討されています。

 これまでも、部活動に地域指導者が関わるケースはみられましたが、休日の部活動に対する生徒の希望に応え、教師の負担軽減を考慮した指導体制の構築を目指して、 休日の部活動を地域の活動として実施できる環境を整える「地域部活動」としての取り組みが進んでいます。

 これからの部活動がどのように変わっていくのか、モデル校となった南中学校の吹奏楽部を取材させていただきました。

 取材時は、コロナウイルス感染拡大の時期でしたので、書面での取材となりました。

Q.どのような経緯でモデル校になったのですか。

A. 令和3年度、継続的で質の高い部活動の機会を確保するとともに学校における働き方改革を推進することを目的として、地域部活動推進事業が行われることになりました。

そのモデル事業に本市が参加することとなり、以前から地域指導者とともに活動を行っている本校吹奏楽部にモデル事業への参加の打診がありました。

 

Q.地域部活動のメリット・デメリットはなんでしょうか。

A.メリットについて

・休日の部活動が学校部活動ではなく地域部活動となるため、顧問不在でも活動が可能になり、教職員の働き方改革に繋がります。

・顧問が未経験の部活動であっても、地域指導者から専門的な、質の高い指導を受けられることです。

 

デメリットについて

・新規に立ち上げる場合は、新たに地域部活動指導者との打ち合わせが必要になることです。

・活動費用が自己負担となり、従来通りの活動に参加できない可能性があることです。

・休日の活動にあたって、学校施設及び備品を使用する活動の場合には、警備システムの解除とセットが必要になるため、完全に顧問教諭不在での活動が成立しないことです。

 

Q.地域部活動となった前と後ではどのように変わりましたか。

 

A. 本校の場合は、以前から地域指導者とともに活動を行っています。顧問教諭も兼職兼業の申請を行い、休日の活動に地域指導者の一人として参加しているので、大きな変化はありません。

 

Q.地域指導者が携わることで、学校との連携はどのように図っていますか。

 

A.顧問教諭と地域指導者との間で、以前から活動内容等の相談が行われています。

 

Q.今後このような地域部活動が拡がりそうですが、実際に行われていて他の部活にも進めていきますか。

 

A. 最終的には部活動は地域に移行していきます。しかしながら、これまで部活動が校内で担ってきた学校教育としての意義(チームワークの大切さ、同じ目標に向けて生徒・教職員がともに活動する大切さ、生徒・保護者と教職員とのふれあい、活動を通じてのルールやマナー習得、仲間への思いやり・感謝の気持ちの伝え方)をどのように引継ぎ、学校教育として残していくべきは何かを教職員も十分に確認していく必要があります。

なにより、生徒が混乱しないように地域に移行していくことが重要と考えます。今後とも、様々な課題を教育委員会等と整理しながらスムーズな移行となるようにしていきたいと考えています。

~地域指導者の方にお聞きしました~

 

Q.生徒に指導する際に心掛けていることはなんですか。

 

A. 

Aさん(顧問教諭・地域指導者としても登録)

無理をさせないことです。注意・指導するだけではなく、良いところを褒めることを心掛けています。

 

Bさん(顧問教諭・地域指導者としても登録)

地域指導者と生徒が演奏や部活に集中できるように、環境を整えています。また前向きな声かけを生徒にも地域指導者にもするように心掛けています。

 

Cさん(顧問教諭・地域指導者としても登録)

生徒の体調面に留意し、声掛けを行っています。

 

Dさん (地域指導者)

音楽(部活)を通じて心を育て、礼儀と感謝の気持ちと思いやりのある人になってほしいと願っています。演奏では、お客さまに笑顔を届けられる心のこもった演奏をするように伝えています。

~部員の方にお聞きました~

 

Q.顧問の先生と地域指導者での指導の違いはなんですか。

 

A.

顧問の先生について

場所や時間の確保や保護者への連絡を中心に、私たちに関わってくれます。困ったことや心配なことを相談しています。

 

地域指導者について

専門的に吹奏楽を教えていただき、礼儀やマナーについてもご指導いただいています。

~取材を終えて~

 今回取材を行ってみて、地域部活動が先生方の負担を減らし、生徒も専門的な指導が受けられるど、良い点がたくさんあることがわかりました。また保護者の立場からも、子どもがいろいろな人との関わりを通して、より多くのことを学びながら成長していけることは、とても貴重な経験になると思います。学校から地域へ、部活動の新たなスタートを感じました。

 写真撮影時は大会前だった為、体育館の中はとても緊張感があり、指導は白熱していました。しかし休憩中はがらっと変わり、和気あいあいとした雰囲気でした。

 初めての取材で緊張しましたが、迫力ある演奏を聴けたことは良かったです。

 南中学校の皆さま、ありがとうございました。

《情報委員会B班》本町小、末広小、南小、東小、本町中、南中、東中