昨年12月から開始された中学校給食が導入されてから1年が経ちました。
今回、1年を通じてどのような思いで携わってきたのかを、10月26日(水)秦野市学校給食センター 「はだのっ子キッチン」へ伺い、取材してきました。当日は責任者の方と栄養士さんに、お話をお伺いしました。
・衛生面ですが、職員は必ず月2回検便検査をしています。調理室に入る前にエアシャワーでホコリを取り、さらに粘着テープで細かいホコリをすべて取り除いてから入ります。
・食材はなるべく地元のものを使用するために、野菜類は農協から納入し、肉類は地元のお肉屋さんから仕入れています。60%は秦野産で、足りない場合は近隣から用意しています。冷凍の食材はなるべく使用しないようにしています。
・味付けは適塩を意識しているため、基本薄味になっていますが、味見の時点で味が薄いと感じたものは、味を足すなど調節しています。あまりにも薄い味だと生徒が食べてくれないので、少しでも美味しく食べてくれるよう、出汁をきかせるなど適塩でも美味しく食べられる工夫をしています。
・アレルギー対策については、アレルギー専用の調理室があり、専用調理師2名が対応しています。食材も一般のものと交わらないように、別の入口から搬入しています。アレルギー対応食は特定原材料7品目(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)を除いた除去食を作っています。出来上がったら専用容器に入れて、一人分ずつバックに入れて職員室へ持っていき、生徒本人が職員室に直接取りに行っています。
・調理後、各学校のクラスごとに計量しながら、食缶に用意していきます。使用している食缶は
保温性が高く、中学校に早めに着いても温かいまま、冷たいものは冷たいまま提供できます。
給食終了後、回収した食缶は毎回計量し、多い場合は献立や食材の改善策に役立てています。
・基本的には人数分ピッタリで計量していますが、足りない場合は職員室に予備を置いています。
・学級閉鎖などで、クラス単位での急な欠食は、その学校内で消費してもらうように、センターで
配分しています。
♦今回給食を試食させていただきました
取材当日10月26日(水)の献立です
・きのこうどん
・かぼちゃのマヨネーズ和え
・ヨーグルト
・牛乳
♦食べてみた感想
・適塩を意識しているためか薄味に感じました。子どもたちには物足りないのではと思いました
が、普段の食事が濃い味なのだと考えさせられる味でした。
・かぼちゃやきのこは旬の野菜で、家庭ではなかなか提供できないときもあるので給食のあり
がたみを感じるメニューでした。
・各学校の配膳の配分について、スープなどをよそう時に具などの偏りがあるので、平等にな
るように学校でも指導が必要ではないかと思いました。
♦センターへのQandA
Q.材料費高騰が続いているが、献立を決めるのに影響はあるか
A. ウクライナ情勢等を背景とする物価高騰は、小中学校の食材購入においても影響が出ています。そこで、本市では、国の交付金である「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用して、本年度3月まで支援することにより、給食の質と量を確保しています。
さらに、献立の工夫により揚げ物を焼き物にしたり、デザート等の種類や提供回数を見直しながら、栄養価を維持できるようにしています。
Q.作っている工程途中で味見などは行なっているのか
A. センターの栄養士が必ず味見をしています。センターで出来上がってから学校へ配送されるまでの時間で、味のなじみ方や野菜から出る水の量の変化を考慮しながら、味を決める難しさがありますが、調整を測りながら日々美味しい給食を提供できるよう努めています。
Q.中学校給食がスタートして1年ほど経つが、献立で配慮していることや心がけていることはあるか
A. 中学生を対象としたアンケートの意見を参考にしながら、希望を取り入れられることから少しずつ献立に組み込むようにしています。
Q.小学校給食と中学校給食で栄養面や味付けに違いはあるか
A. 学校給食は、文部科学省が策定した「学校給食摂取基準」により、年齢に応じて必要な栄養量が定められており、その基準に合わせて献立を作成しています。
また、小学校では提供したことがない、馴染みのない外国の料理や地方の郷土料理など、新しい食文化に触れる「食育」を推進しています。また、献立によって、スパイスやハーブを取り入れ、生徒に楽しんで食べてもらえるように工夫し、調整しています。
Q.給食の献立や味の意見交換などはしているか
A.職員も毎回給食を食べていて、週に2回、調理事業者と職員での打ち合わせがあり、献立の意見交換や調理部門ごとの打ち合わせも定期的にやっています。また、小学校給食を参考に作っているので、小学校給食担当者との意見交換もしています。
Q.揚げ物で気を使っていることはあるか
A. 揚げ物は最初10個くらい試し揚げしてから、温度や時間などを調整しています。
♦編集後記
今回「はだのっ子キッチン」を取材して、食材で地域と繋がり、食育で世界や他地域の食文化に触れ、健康のために味や調理法を工夫するなど、中学校給食に携わる方たちが、子どもたちのために色々な事に気遣っていることを改めて知ることが出来ました。試食をさせてもらうことで、普段中学生が食べている給食の味を体験できたことは、とても良い経験になったと思います。これからも美味しく健康的な給食を作り続けていって欲しいです。
《情報委員 A 班》
西小 上小 堀川小 北小 渋沢小 渋沢中 西中 北中