「はだのっ子アワード」の一つ、ふるさと秦野検定というものを知っていますか。これは,秦野を愛する子どもたちを育むことを目的としている事業です。出題難易度が高い順に S級、A級、B級、C級ライセンスがあります。Web上には誰でも受けることができる、ふるさと秦野検定4級【WEB 版】があります。まずは一度試してみませんか?
https://www.city.hadano.kanagawa.jp/k-contents/kentei/kentei.htm
どうだったでしょうか。秦野市について知らないことが、意外と多くありませんでしたか? このような検定、誰がどのように作っているのでしょうか? 合格への道はどのように作ることが出来るのでしょうか?このような疑問をもとに、秦野市教育研究所に取材をさせて頂きました。 秦野教育研究所、専任主幹兼課長代理 相澤広輔さんと、専任主幹兼指導主事 三平知央さんが取材にお答えくださいました。
① 秦野検定を実施した経緯とお勧めしたいポイントを教えて下さい。
本市の恵まれた地域資源を生かし、学習や体験活動などを通じて「ふるさと秦野を愛する子ども」を育むことを目的に平成19年度よりはだのっ子アワード事業を実施しています。
はだのっ子アワードには (1)体験活動部門 (2)ふるさと秦野検定部門 (3)読書部門の3つの部門があり、秦野検定は(2)のふるさと秦野検定部門にあたります。「子どもたちに自分たちが住んでいる秦野を誇りに思って欲しい。大人になった時に秦野に戻ってきて欲しい。秦野を離れる時にも、育った秦野を誇りに思って人生を歩んで欲しい。」そんな思いを込めて、はだのっ子アワードをスタートさせました。また子どもたちに、誰でも頑張れば表彰されるという機会を与えたいという思いもあります。 今年度は1月に市長表彰式があり、S級・A級に合格しました子ども達に、表彰楯が授与されました。
② 問題は誰がどのようにして作っているのですか?
立ち上げ当時に、教育研究所の所員が中心になってたくさんの問題を作成し、市内の社会科の先生や、生涯学習課のメンバーに確認をしてもらい、検定試験に出題していました。 今でもこのときに作成した問題が一部出題されています。 級によって問題数が違うので、各級の問題数に合わせて問題を減らしたり、新しい問題を加えたりしながら、毎年問題準備しています。
現在も研究所の所員が中心になって問題を作りますが、教育指導課や生涯学習課の職員 、市内の先生方 、秦野市の文化に精通している方に協力をしていただいています。コロナ前は作問委員会というものを開催し、問題作成をしていたのですが、コロナ禍になってからは委員会を開催することが難しくなってしまいました。またコロナ前は、鶴巻小学校と本町小学校を会場にして夏休みに検定試験を行っていましたが、感染拡大防止と多くの子どもたちに挑戦してもらいやすくするためにオンラインでの実施に変更しました。
オンライン化にあたり、問題の難易度や問題数の見直しも行いました。以前は1~3級、全て100問でしたが、S・A・B・C 級の4つのライセンスに変更しました。問題数もS級100問、A級80問、B級50問、C 級30問とライセンスごとに問題数を変更しました。
③ 問題の更新頻度と、問題の種類について教えて下さい。
②でも触れましたが、毎年少しずつ更新しています。過去に作った問題と、その年に発行された『広報はだの』に載せた記事の中から出題するようにしています。これは過去の秦野の事だけではなく、現在秦野で起きていること、そして、未来につながることを知って欲しいという思いがあるからです。また、購入できる資料『秦野ふるさとめぐり』( フ ァミリーマートや、教育研究所、歴史博物館等々で 800円で販売)からも出題しています。
④ 受検者数の推移と受検者を増やすために苦労していることを教えて下さい。
小学校3年生の時に授業で地域の勉強をするので、その教材として秦野検定を利用してもらえるように、秦野市の小・中学校に着任した初任者の先生方を対象にした研修の時に、実際にはだのっ子アワードの体験をしてもらう機会を設けています。秦野検定に挑戦してもらうと、多くの先生が賛同してくれて 、秦野検定の内容を授業に取り入れ、子どもたちに伝えてくれているようです。地域の勉強のまとめとして「秦野検定C級をみんなで受けてみよう」と、皆で受検する、ということもよくあります。
また、C級に関しては、ご連絡いただければ、いつでも受検できるようにしています(それ以外の級は夏と冬の年2 回)。学校で皆でC 級を受けた後に、更に上の級を受けたいと思い、個別にその上の級をチャレンジする子もいます。C級はそういったきっかけ作りにもなっているようです。
渋沢中学校でこんな取り組みがありました。このコロナ禍において、全行事が取りやめになってしまった時に、体育祭の代わりに子どもたちに何かできないかということで、クラス対抗秦野検定大会をやりたいと相談があり 、全クラスで秦野検定C級の内容を受けてもらいました。
⑤ 子どもたちの勉強用資料の入手方法について配慮していることを教えて下さい。
小学校3年生の時に全員に小中一貫教育学習資料集「ふるさとはだの」を配付。「秦野ふるさとめぐり」は購入することができます。また、出題範囲になる広報はだのは、各家庭に新聞と一緒に配布、もしくはホームページ上で読むことが可能です。それ以外に秦野市教育研究所にお問い合わせいただければ、紙面の過去問題をお渡しすることができます。
⑥ 最後に秦野検定への思いを教えて下さい。
秦野検定は、取り組んだ子どもたち全員に合格して欲しい検定です。「頑張ればできる。やればできる。」そんな思いを子どもたちに持ってもらえたら、という思いから作られました。 また、このはだのっ子アワードの体験学習や検定を通して、親子の会話・ふれあいが増えたというお言葉をよく頂きます。一緒に調べたり、解いたりすることで、家族がつながっているということを感じ、とても嬉しく思っています。 今、わたしたちが暮らしているふるさと秦野。子ども達と一緒にもっともっと良い所を さがしてみませんか。
~取材を終えて~
秦野検定の出題元となる教育研究所は、学校教育に携わる教育部に属しているということで、これ まで小学校の教壇に立たれていた先生方との貴重な対談を経験することができました。検定の内容も、 子ども達が楽しく自然に秦野市を学べるように心がけて考案されているため、勉強に偏ることなく、秦野の雑学としての内容や、中には大人でも分からないことが出題されているため、親子で一緒に秦野の知識を身に付ける良いきっかけになると思いました。
そして何より、子ども達の頑張りを応援する教育と、秦野を愛する地元愛を融合させた素晴らしい取り組みに感銘を受けました。 まだまだ秦野市を知らない方はたくさんいらっしゃると思います。今回の取材をきっかけに、たくさんの方に秦野の良さを伝えられたらと思います。取材にお答えいただきました相澤さん、三平さんを始め、教育研究所の皆様、ご協力ありがとうございました。
(取材日 2022 年12 月16日)
《情報委員会C班》 広畑小、大根小、大根中、鶴巻小、鶴巻中、南が丘小、南が丘中